2015年07月27日

山芋帝国興亡史:200字川柳小説  川合大祐

二〇XX年、天より山芋あまた降る。山芋、みづからわが身を擦りてゲルと化し、人に粘り付くこと甚だし。とりわけて髭の男、痒みに悶え苦しみて狂死するもの限りなし。人口およそ半減せり。最後の髭の男子あり。朝、つひに山芋を撃たむと銃を取り、ふと思ひ立ちて髭を剃りぬ。爽やかなり。曰く「なんだ、ぼくがヒゲをそればいいだけじゃん」。爾来、男子・女子・山芋ともに栄え、銀河に人類山芋文化圏を築けりとなむ言ひ伝へける。

  山芋を撃つ寸前にヒゲを剃る  井上一筒(『川柳カード』第5号より)

posted by 川合大祐 at 05:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする