2016年04月24日

はじまりのおわり:200字川柳小説  川合大祐

三教室離れた組の生徒が転校するというので、わざわざ送り出し会に首を出した。その生徒は、真夜中の県道において家族総出でバンジョーを合奏したり、魚は鮫しか買わなかったりしていたので、どんな事を喋るか興味があったのだ。生徒は言った。「ありがとう。皆ありがとう。山川草木悉皆成仏。今日を忘れないために、痕を残していこう」。そしてトラックの荷台から、砂糖を撒いて去って行った。蟻が一匹、砂糖の道にたかり始める。

  都合よく転校生は蟻まみれ  小池正博(『転校生は蟻まみれ』より)
  
posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(3) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする