2016年12月04日

大・切・断:200字川柳小説  川合大祐

いったいこれは何だ。いや言うな。わかっている。別に判じ物をしたいわけではない。ただこの「文明堂」と書いてある箱から出した直方体は何かと聞いている。黄色い物体の下に黒ずんだ皮の乗っているこれは何だ。何。裏返し。それを早く言え。裏返してみたがさっぱりわからない。何。「カステラ」と言うのか。初めて知った。思ったのだがこれはあれか。よく切断されて出てくるあれか。ならば切って出せ。何。切った。これは 何だ。

  カステラに切り目 矜持は棄てたのか  いわさき楊子(「川柳 裸木4」より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(2) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする