2017年06月11日

約束の土地へ:200字川柳小説  川合大祐

神に告げられた。「お前を祝福しよう。お前がいちど左折するたびに、地球の直径を1センチ縮めてやろう」。翌日、どうしても役所に行かなければならず家を出た。道が分かれているところに来ると、必ず右に曲がった。どんどん進路は目的地からずれて行き、役場も家も遠くに過ぎ去った。憔悴した、魅力的な人に出会った。「私が右折する度に、地球が1センチ縮むんです」とその人は言って左折していった。もう会うことはないだろう。

  左折左折左折 小さくなるわけだ  三浦潤子(「川柳カモミール」第1号より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする