川柳雑誌「風」113号(令和元年7月1日)
編集・発行 佐藤美文
年4回発行 年会費3000円
今日は七月七日、七七の日なので川柳雑誌「風」を取り上げてみたい。「風」は十四字詩欄をもつ柳誌なのである。今号は、同誌の年度賞にあたる第20回風鐸賞の発表号。十四字と十七字に関わりなく10句で応募できる。審査員は5名で、各審査員が投じた点数の合計で順位が決まる。20回目の正賞は山田純一(十四字)、準賞は林マサ子(十七字)と森吉留里惠(十四字)。以下、正賞より1句。
来し方語る片減りの靴 山田純一
なお準賞の森吉留里惠は以前、十四字の句集を出版している。
疫病神も神のはしくれ 森吉留里惠『時の置き文』(2016年/新葉館出版)
会員作品【十四字詩 風鐸抄】
耳から先に令和元年 本間かもせり
となりの窓も窓を見ている 〃
二、三歩先を歩き出す季語 〃
お箸は右手スマホ左手 星野睦悟朗
太陽を蹴る意地の戦い 石川川柳
モデルが着れば格好いい服 興津幸代
メビウスの輪の見せぬハラワタ 森吉留里惠
ソーメン茹でてここからの夏 齊藤由紀子
「風」では七七のことを十四字詩と呼称しているが、わたしは歴史に鑑みて短句と呼んでいる。五月にわたしが制作した七七のフリーペーパーも「川柳作家による短句フリーペーパー」と題した。飯島章友・石川聡・いなだ豆乃助・大川崇譜・川合大祐・暮田真名・小池正博・本間かもせりの七七句、短句の歴史、関連書籍などをまとめた。
七七の句型を作るひとは徐々に増えてきていると聞く。まだまだ未開なジャンルなので、これからもどんどん開拓していきたい。
参考
【短句】誹諧武玉川の短句と近現代の川柳十四音【十四字詩】@
【短句】誹諧武玉川の短句と近現代の川柳十四音【十四字詩】A