2015年03月24日

勇気のための川柳処方箋45 昔から自転車のうしろに乗せてもらうのが夢だった。


チャリンコをゆっくり押せば恋になる  河合正秀

   *

M きのうに続いて、なかはられいこさんの朝日東海柳壇からの一句です。

Y わたしも失恋で歩けなくなって道ばたで倒れふしたり、全力で無力になってしまって気がついたら手押し車で運ばれていたり、夢のなかで体力がうしなってしまってバナナボートに乗せられて夢からこちらの世界へともどっときたことがあるんですが、そうゆうことですか?

M ええと……まあちがいますけど、でもちかいかもしれないです。

Y ええっ!?

M たとえば、恋をして苦しくて、くずおれそうで、もうチャリンコを押す気力さえなくて、それで「ゆっくり押せば」になっているかもしれないから。

Y でも「ゆっくり押せば」って、なんかすこし〈ひとごと感〉がありますよね。仮定的・条件的なことばづかいだし、主体がはっきりしない。

M そこもこの句の、恋心のありようなんじゃないかっておもうんですよね。恋をすると主体がゆらいだり、もしくはがっちりした主体が奪われちゃうじゃないですか。『男はつらいよ』とかみてみてくださいよ、毎回、渥美清が迫真のへろへろの演技してますから。あんなに、へろへろになることがうまかったひともいないとおもうんですが、恋をするってへろへろの主体になることなんじゃないかな。

Y たしかにそうかんがえるとへろへろだから自転車に乗ることさえできてないってかんがえることもできるのかな。

M 自転車ってへろへろで乗れないんですよ。たまにやる気ないかんじでつっぷしながら自転車に乗ってるおじさんも商店街とかでみかけるけれど、でも自転車って足でこがなきゃいけないわけだから、へろへろでは乗れない。恋をすると、自転車に乗ることができない。

Y だからよくバナナボートに乗せられるのかあ。

M そうゆうことになります。

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posted by 柳本々々 at 06:00| Comment(0) | 柳本々々・一句鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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