2015年09月03日

犬は天の川のほとりで:200字川柳小説  川合大祐

いつか妻と飼うはずの犬。ヘルメット越しに銀河が見える。地球に帰るまで、どれくらいかかるのだろう。私は頭を振り払う。宇宙服のまま宇宙空間に投げ出されて、どれくらいになるのか、それと同じくらい妄念だ。妻は待っていてくれる。そうだ。たとえ地球を飛び立つ前に喧嘩をしていても。妻はもういないかも知れない。それでも私は虚空を掻く。喧嘩の原因はなんだったか。そうだ。それが私を支えている。いつか妻と飼うはずの犬。

  向かい風だな、銀河に近づいてる  久真八志「愛妻家にしかわからない」より)

posted by 川合大祐 at 05:04| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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