2016年04月24日

はじまりのおわり:200字川柳小説  川合大祐

三教室離れた組の生徒が転校するというので、わざわざ送り出し会に首を出した。その生徒は、真夜中の県道において家族総出でバンジョーを合奏したり、魚は鮫しか買わなかったりしていたので、どんな事を喋るか興味があったのだ。生徒は言った。「ありがとう。皆ありがとう。山川草木悉皆成仏。今日を忘れないために、痕を残していこう」。そしてトラックの荷台から、砂糖を撒いて去って行った。蟻が一匹、砂糖の道にたかり始める。

  都合よく転校生は蟻まみれ  小池正博(『転校生は蟻まみれ』より)
  
posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(3) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
転校して去っていく転校生として読まれたことに驚きました。ずっと転入生のことだと思っていたから。最近は川柳を意味で読むのはダサいらしいですが、あえてたのしく意味で読みました。スミマセン小池さん、川合さん。
小学校の時の転校生は人気者です。「名前は」「どこから来たの」「家はどこ」「今日一緒に帰ろう」・・・と机の周りは人だかり蟻まみれです。先生が「今日からみんな仲良くするように」などと言う必要もなく都合よくクラスの一員になりました。
Posted by yo-ko at 2016年04月24日 21:31
yo-koさま
コメントありがとうございます。この句、みんな転校してくる生徒と読んでいたので(事実、私もそう読んでいました)、あえて臍曲がりに逆側から書いてみました。
小池さん、すみません。
川柳にとって意味とは何だろうと考えると、たぶん私の頭では追いつけません(苦笑)。ただ、「ダサい」で片付けられない課題を、「意味で読む」ことは残していると思います。
それはともかく、たのしく読んでくださったのが何よりありがたいことです。
yo-koさまのコメントも、しっかり川柳小説になっていて、イイネ!でした。
Posted by 大祐 at 2016年04月27日 06:50
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Posted by yo-ko at 2016年04月27日 09:48
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