2016年12月18日

レイニー、レイニー、X:200字川柳小説  川合大祐

紀元前100万年、森を抜けたボ=ボは、敵対する部族の「和解」という言葉を聞き違えて、石斧を振り上げ、振り上げすぎて自分の後頭部を強打して死んだ。薄れてゆく意識の中でボ=ボは空を見たかわからない。空に名付けるはずだった色の名もわからない。それから長い歴史が経ち、ボ=ボを失った人類は、ついにローソンの、ポカリスエットの、ドラえもんの色の名を知らない。最後の人間が、過去に念を送る。それは「青」です、と。

  ジュピターの流れる青を持っている  徳田ひろ子(句集『青』より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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