2017年02月26日

噓だと言ってよ、マミー:200字川柳小説  川合大祐

折り鶴の展開図を見ていて、「山折り」ということがどうしてもわからなかった。ママに訊いた。「どうしてこれが山なの。山って、地面がへこんだところのことじゃないの」。ママは「そうよ」と笑って、その笑顔のまま、歳を取っていった。白髪が増え、皺が刻まれても、ついに鶴が折れることはなかった。臨終の場で、ママは「ごめん、山って地面が盛り上がってるところなの」。なんで、と訊くと「そのほうが、おもしろいと思って」。

  君の噓くらいで山は折れないよ  小池正博(「人体は樹に、樹は人体に」/『川柳サイド Spiral Wave』より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。