2017年05月29日

川柳「カモミール」第1号 @

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川柳「カモミール」第1号
発行人 笹田かなえ

川柳「カモミール」の第1号がこの五月発行された。同誌は、「カモミール句会」の会報とお聞きしたのだが、結社誌や同人誌といっても遜色ない内容になっている。句会や吟行の様子などは、笹田かなえさんのブログ「川柳日記 一の糸」で知ることができます。またカモミール句会は、おもに「八戸ポータルミュージアム はっち」で毎月開かれているそうで、合計二句をメールで笹田さんへ事前投句して無記名で合評しあい、その後に席題の互選もおこなうとのこと。ただいま会員募集中と書いてありました。

さて、今回の「カモミール」第1号は三浦潤子さん、守田啓子さん、滋野さちさん、横澤あや子さん、笹田かなえさんの作品がそれぞれ20句ずつ掲載されるとどうじに、一句評を俳句結社「連衆」の谷口慎也さん、「おかじょうき川柳社」のSinさんが担当されている。何はともあれ会員作品を見てみよう。


今回「カモミール」誌を読ませていただき、三浦潤子さんという川柳人をはじめて知った。プロフィールによるとサラリーマン川柳を5〜6年楽しみ、2000年に北野岸柳教室入会、現在は「はちのへ川柳社」同人・「白銀南公民館川柳クラブ」代表とのことだ。
短歌の世界では、ケータイ短歌へ投稿していたひとが結社や同人に入ってくる例があったのだけど、サラ川から吟社川柳に入ってきたひとはあまり聞いたことがない。

 膨らんだ餅からSMAPがぷしゅーっ  三浦潤子
 
SMAPネタいいですね。今年、彼らについて書かれた記事を読むとご飯がすすみます。
さて、読んですぐにサラ川っぽい軽みがあるなと思った。けれど、サラ川の審査基準でこの句が評価されるかどうか。やはり何かが違う。
句の内容は、「SMAP」の事務所独立騒動やテレビ局への多大な影響などを想起させる。サラ川でもありえる句材だ。また「スマップがぷしゅーっ」という音感の楽しみ方。これもサラ川のダジャレと一脈相通じそうだ。しかし、SMAP騒動を直接書いたりはせず、餅の描写と音感だけで寓してみせるところは、吟社川柳の手法を感じさせる。

 首縦に振る度落ちてゆく鮮度  同

ありがたい講話を聴いているひとびとを見るたび、日本人ってものすごく首肯きが多いなと思う。居眠りしているひとも含めて。「鮮度」というのは、人間が事に当たるときの意識の持ち方、たとえば惰性なんかが暗示されているような気がする。ただ、この句の魅力は、首→振る→鮮度という言葉の流れから感受してしまう〈恐さ〉にあるのだと思う。

 ネクタイをゆるめ雲の名ひとつ知る  同

「男には首のサイズがあることの何か悲しきワイシャツ売場 」(俵万智『かぜのてのひら』)という歌を思い出した。男の首は、束縛と解放が繰り返されるのです。
わたしは、他人の話を注意ぶかく聴くときにおのずと目を閉じてしまうのだけど、視覚を遮断することで相手の言葉をより深く理解しようとしているのだと思う(たまに居眠りするなと注意されるんで、志村けんのコントやレディー・ガガのメイクのように、あらかじめまぶたに目を書いておこうかと思っている)。おなじように「ネクタイをゆるめ」て解放されたとき、風船のようにふわふわ浮かぶ「雲の名をひとつ知る」ことだってあるのだ。

 織姫の364の詩  同

七月七日の夜、一年に一度しか彦星に会えない織姫の364日。実際に会える日は、それはそれは嬉しいだろうが、彼と会えない日々のほうが想いの丈は案外高いかも知れない。
ええ、恋愛生活が充実しているひとへのやっかみで言うのだけど、いつでもどこでも会っている連中の詩はツマラン!

(つづく)

posted by 飯島章友 at 08:00| Comment(0) | 柳誌レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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