2017年09月25日

私をちぎって置いていく返事  畑美樹


私をちぎって置いていく返事  畑美樹

セレクション柳人『畑美樹集』(邑書林)より。
この句の主体にではなく、おのずと相手の側の立場になって戦慄し、肌が粟立ってしまう句だ。こちらへの恨みごとや責任をとう書置きならまだいい。腹いせにこちらの所持品が壊されていたのであっても耐えられる。ここでは、相手が自分じしんを千切って無言の返事を残しているのだ。

畑美樹にはこんな句もある。

 雨だれの向こうに黙礼のカラス  (「Leaf」vol.2)

おもえば畑美樹には、口頭で言葉を交わしあう双方向性の句がない気がするのである。


posted by 飯島章友 at 22:00| Comment(0) | 飯島章友・一句鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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