2018年04月17日

サスペンス読み

短詩の句歌会では「お題」というものがありますよね。ある題にしたがって皆が作品をつくり、ゲームとして優劣を競うわけです。


でも、句歌会だけじゃない。「読み」にもお題ってあると思うんです。こういう方向性でこの作品を読みなさい、とあらかじめ決めておく読み方です。これは、作者の意向と違ってしまうことが多いので、句歌会という公の場では遠慮したほうが良いでしょうね。ただ、一人もしくは仲間内だけの限られた空間でやると面白いんです。


かく言うわたしは「サスペンス読み」というのを独りでよくやっては楽しんでいます。短詩って限られた情報量しかないから、読み方に「サスペンス」というお題があると、まったく印象が変わってしまうのです。それが面白い。


例を挙げますね。

サスペンス読みとしての推し歌≠ヘ次の作品です。


いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり  浅井和代


どうでしょう、サスペンス読みにぴったりじゃないですか?

この歌は俵万智著『あなたと読む恋の歌百首』(朝日新聞社)に収録されているように、本来はミステリーと無関係な内容だと思うのです。でも、読み方しだいで読み手にサスペンスをおぼえさせる。


もう一例。この作品はミステリーの冒頭としてぴったりじゃありませんか? 佐藤弓生著『モーヴ色のあめふる』書肆侃侃房)からです。


縊死、墜死、溺死、轢死を語りたり夕餉の皿に取り分くるごと  佐藤弓生



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