2019年09月02日

今月の作品 涅槃girl「言の葉増えて七枚となり」を読む

皆様、お暑うございますね。ご機嫌如何でしょうか。わたくしの盆休みは子連れで大阪の実家で過ごしておりました。いつもは実家で読む用に必ず詩歌句の本を一冊は用意して臨むのですが、今回は珍しく詩歌句の本ではなく、筑摩文庫の『ギリシャ悲劇T アイスキュロス』と『ギリシャ悲劇U ソポクレス』の二冊のみで川柳も短歌も全く詠んだり読んだりすることはなく、頭を空っぽにして毎日缶ビールとウォトカを空ける日々でした。これではいかんと思い、川柳モードに切り替える為、盆休み明け初日に涅槃girl氏の連作をプリントアウトしてオフィスのデスクに貼りつけ、毎日眺めておりました。時折、同僚がこれはなんですかと訊きますが日本人特有の曖昧な笑みを浮かべて黙っています。世の中は摩訶不思議なものがないといけません。
さて涅槃girl氏の作品も摩訶不思議です。それも五七五ではなく七七で統一されております。なんとタイトルも七七です。凝っておりますね。狙ったであろう作者のしてやったり顔が脳裏に浮かびます。ぼくは作者にお会いしたことがないのでイメージ湧きませんが。
個人的に七七句は五七五に比べて山や谷がなく平坦なイメージがあり、実際に実作してみても良くできたという場合とちょっと駄目だなという句の差が大きく感じます。ただ今回の涅槃girl氏の作品はそうではなく成功しているのではいかと思いました。


映画館だけ忌中でやすみ

街中戒厳令下の中、映画館だけ上映しているというのは映画ではありそうですが、街中普通に活動しているにもかかわらず、映画館だけ休館というのはこれいかに。しかも忌中というのが良い。有名俳優か有名映画監督でもお亡くなりになったのでしょうか。ゴダールかタランティーノあたりがお亡くなりにでもなったらどこかの単館映画館が休みそうです。そうなったら、入り口にでかでかと忌中と書いた札を貼って貰いましょう。


虹が出るたび朽ちていく街

虹という言葉はよく句に使われます。ぼくもよく作りますが、朽ちていくとは思いつかなかった。虹とともに滅びゆく街という画が浮かびます。今回の連作の中でも特に印象に残った句です。


母の遺影を巣箱に隠す


隠すのはたいてい靴箱と相場が決まっておりますが、巣箱なんですね。母上と生前なにがあったのか気になります。


夜の帳に付箋紙を貼る


付箋紙って最近あまり言いませんね。「ポストイット」と言うんですよと、会社で付箋紙と言ったらそう返されました。ただ「ポストイット」は3Mの商標なので、付箋紙でいいのではないか、と後から気付いたので言い返せませんでした。
たいてい付箋紙はなにか大事な箇所があって、その目印替わりに貼っておくものです。ではこの場合の「夜の帳」には何か重要な秘密があるのやも知れませんね。
posted by いなだ豆乃助 at 19:00| Comment(0) | 今月の作品・鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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