川柳雑誌「風」119号
編集・発行 佐藤美文
年4回発行(1・4・7・10月)
年会費 3000円
昨年の暮れに「風」119号が届きました。十四字(短句・七七句)が特徴のグループ。何句提出してもよし(ただし選はあり)。興味がある方は年間3000円なんで参加してみてはいかがでしょう。
今号、わたしは20句以上の句稿を提出。作品を出すのも珍しいのですが、20句以上作句するのも珍しい。そもそも、わたしは文芸に選ばれた人間ではなく、縛りがなければ1年間、川柳も短歌も短句も創らず過ごしてしまうことでしょう。詩人特有の感性を備えているかもあやしい。歌も句も技術で創っているつもりです。
【会員作品・風鐸抄】
もういいかいまあだだようと糸電話 伊藤三十六
へべれけのれけ舌が回らぬ 山田純一
ぼくだけ居ない地図をひろげる 本間かもせり
山羊を数えて数えても山羊 〃
天気予報が当てる古傷 坂本嘉三
うふふふふっと王手飛車取り 星野睦悟朗
鍵を失くして霧にさまよう 森吉留里惠
賢治の星へGoToが行く 中島かよ
煮つまる脳へレモンたっぷり 渡辺梢
アレアレアレで詰まる喉元 齊藤由紀子
くるぶしが岩か島かで揉めている 飯島章友
四十路まで順調だった桂剝き 〃
雨樋も神がお通りなさる道 〃
だとしたら稚魚らは川の空白ね 〃
泣き叫ぶ夕日を額に入れてやる 〃
夜を翔けゆく白抜きの文字 〃
木漏れ日に手を振っている祖母 〃
封蝋を解くようなくちづけ 〃
筋肉質の遮光カーテン 〃
りんごのごには悲しみがある 〃
2021年01月08日
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