2017年11月30日

んなあほな:200字川柳小説  川合大祐

んた、この世をどう思う。初の数秒、チャンネルを合わせ損ねた必殺仕業人に問われた。の世と言われても、この千年ほどアパートの外に出ていないからよくわからない。は良かった。も鰯缶も共通していた。であったからである。と呼ばれることもあったが、そもそも乱気流の彼方のチョコレートパイの躍り食いの別称なのでいたしかたがないと言うこともできるだろう。を言っているのか明快すぎて解らないが、祇園精舎にアラン・ドロン。

  ん行から諸行無常のチョコレート  くんじろう(11月のゲスト作品「矮星」より)

posted by 川合大祐 at 20:53| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

そういうじだいでしょ。:200字川柳小説  川合大祐

がっこうからかえると、おかあさんが熊になっていました。熊というかんじをかけるのは、おかあさんが熊になるたび、ホワイトボードに「きょうは熊です」とかいておくのでおぼえてしまいました。熊は「ふっふっふ。ふっふっふ」といきをして、いまをうろついているので、あぶなくてしかたありません。たまにかみついてきます。さんぽにつれだすと、こうえんでころげまわります。いいました。「おかあさん、あたし、砂場になるよ」。

  母熊を連れ鉄棒にぶつかるよ  暮田真名(今月のゲスト作品「モアレ現象とは」より)

posted by 川合大祐 at 06:04| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月10日

めぐりゆく季節に:200字川柳小説  川合大祐

アホといえば坂田だが、『帰ってきたウルトラマン』のヒロインは坂田アキと言うのだった。惜しい。何が。夏。夏はもう過ぎてしまった。アホの、いやアキの坂田も番組途中でナックル星人に殺されてしまった。可哀相である。祭り。だから秋。郷秀樹、という冗談みたいな名の奴がウルトラマンなのだが、結婚したら郷アキである。語呂が悪すぎる。今回小説として体を成していないが、それを称してアホと呼ぶ。そーれそれそれお祭りだ。

  夏祭り体全体アホになる  池上とき子(「川柳の仲間 旬」No.213 より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月03日

だったんだ:200字川柳小説  川合大祐

猫の惑星があった。あいにくと猫座にはなかったが、そもそも星座という概念が猫の惑星にはないのだった。星は巨大な猫だった。縞猫だったのか三毛猫(だとすればおおかた雌だろう)だったかわからない。それでも宇宙空間に浮く眠り猫は、ときおり身をよじらせながら、あくびをするのだった。あくびのたびに、五重塔が倒壊するので、絶望した宮大工は首を縊ろうとした。深い森の一本の木。それが惑星猫の毛か、木かわからなかった。

  縊死の木か猫かしばらくわからない  石部明(「セレクション柳人3 石部明集」より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月27日

究極対至高:200字川柳小説  川合大祐

「何を食べたかじゃない。何を食べるのかが大切なんだ」と歯車式原子炉搭載の熱血教師が言うので、テーズ式留年中年の私型惰弱人間第28号もその気になった。気になったのものの、どうしたら良いのかがわからない。とりあえず「食べる」というのがどういう行為なのか調べてみることにした。調べてみるとなかなか奥が深い。走りながら、鳴きながら、世界を滅ぼしながら食べる。特に、夕御飯を食べながら食べるのが気に入って、秋。

  諏訪湖とは昨日の夕御飯である  石部明(『セレクション柳人3 石部明集』より)

posted by 川合大祐 at 00:00| Comment(0) | 川柳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする