2017年04月21日

【小連載】ユニコーン(「安福望キャラクター辞典」)

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やすふく ユニコーン、いつから描いてるんだっけなあ。天使のあとだとおもうんだけど。

やぎもと あのね、ユニコーンがやすふくさんの絵にでてきたとき、ユニコーンがいる世界なんだなっておもったの、やすふくのぞみのせかいは。

やすふく ああ、そうなんだ

やぎもと ユニコーンが道路を横断してるせかいなんだと。そのいみではユニコーンは決定的だとおもう。いや、そうならざるをえないっていうのかな。

やすふく 道路を笑。そうなんだ

やぎもと その世界の境界をきめちゃう。

やすふく 短歌がなかったら、絶対描いてないよ、ユニコーン。いつからか覚えてないんですよ。でも天使のあと。

やぎもと 天使が呼んだのかな。

やすふく 天使を描いても違和感ないなってなってからですよ。

やぎもと だって短歌でユニコーンあんまみないよ。

やすふく ないね笑。たしかに笑

やぎもと ユニコーンって短詩にいないどうぶつだよ。俳句でも川柳でもみないもん。田島健一さんの句集ふしぎなどうぶついっぱいでてくるけど、さすがにユニコーンはいない。

やすふく 架空の生き物ですもんね。

やぎもと ユニコーンってぶっとびすぎなんだよたぶん。それをだしちゃうとせかいがきまっちゃうんだよ。世界のルールがかきかえられちゃう。

やすふく でも、天使はでてくるよね、短詩に。

やぎもと 天使はこっちだから。あのヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』って映画みるとわかるけど、刑事コロンボだって天使なわけでしょ。ユニコーンなんてみたの、ドラマ「アリー・マクビール」かアニメ「ガンダムユニコーン」しかないよ。どっちもあっちの世界にアクセスできちゃうひとの話だけど。

やすふく わたしは、手塚治虫のゆにこを今思い出した。よんでないんだけど。あ、でもね、一角獣とユニコーンは別っておもってるよ。羽と角は、たぶん同時に描いてないと思うんだけど。

やぎもと あれは一角獣?

やすふく 羽のついてるのはユニコーンで、角があるのは一角獣。たぶんいっしょにしてないとおもう。

やぎもと じゃあ項目がくつがえされた笑

やすふく ほんとですね笑

やぎもと ただみんなあれはユニコーンだとおもってるとおもう。

やすふく そうなのかあ。いやでも角だけのもいるよ

やぎもと 一角獣ってそもそもふだんつかわないからね。

やすふく 羽のないやつですね。

やぎもと ユニコーンってはねがないとおもってたけど。

やすふく えっそうなの。

やぎもと いままでみてきたユニコーン、はねがないよ。ゲームの「ファイアーエムブレム」には天馬でてくるけど。

やすふく ユニコはどっちももってるね。つのがなくて羽があるね。羽は、飛ぶためってわかるけど角って、いらないですよね。なんのためにっておもう。飛ぶかんじときは、羽のあるやつ描いて。

やぎもと あ、そうか、ペガサスか、天馬は。

やすふく あっそうだ、ペガサス!

やぎもと ペガサスはつのなくてはねがある。

やすふく そうだそうだ。

やぎもと ファイアーエムブレムはペガサスナイトだから。

やすふく なんか勘違いしたまま、はなしてた笑

やぎもと 聖闘士星矢にも羽のかざりあったよねかぶるやつ。ペガサスりゅうせいけんの。あれは白鳥か。わかんなくなってきた笑

やすふく あ、じゃあ、ユニコーンとペガサスがいるね、わたしの絵の世界。一角獣=ユニコーンだった。混乱してました。そういえば白鳥も私よくかくよ。かもめとか。かもめは基本冬にしかかかないけど。

やぎもと じゃあ次は白鳥かかもめですね。


posted by 柳本々々 at 15:24| 川柳サロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月18日

【小連載】食パン(「安福望キャラクター辞典」)

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やぎもと 無機質にキャラクターを与えるってやすふくさんのひとつの特徴でもありますよね。

やすふく え笑。食パンってキャラクターなんだ笑

やぎもと だってアイコンにつかってるわけでしょ。

やすふく そうなんだけど。キャラクターっていうより、うーんなんだろう。場所とかかなあ。

やぎもと 場所がキャラクター化するってことでもあるとおもうけどなあ。まあ食パンマンとはちがうんだけど

やすふく 食パンだけだと、ただの食パンだから、プラス何かいりますね。特別な食パンになるには。場所がキャラクター化。そうなのかあ。

やぎもと うーん。食パンだけをかこうとすることに、その行為にキャラクターせいがやどるんじゃない。あのイラストレーターのノリタケさんみたいな。

やすふく ああ、ノリタケさん。

やぎもと それだけ取り出すとシンプルなラインがへんに息づいてくる。

やすふく なるほどなあ。たしかにアイコンにつかってるしなあ。なんで食パンにしたんだろう、わたし。

やぎもと キャラクターってもしかして環境や背景とのかねあいなんじゃないのともおもうけど。食パンが皿にのってないわけでしょ。

やすふく のってないね。

やぎもと そのとき食パンはキャラクターになるとかね。

やすふく なるほどー。

やぎもと 食パン、ときはなたれる!というか。

やすふく いつもの場所から解放されるかんじね。


posted by 柳本々々 at 17:30| 川柳サロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【小連載】天使(「安福望キャラクター辞典」)

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やぎもと やすふくさんの天使って元気ないきがするんだけどどうですか?

やすふく え、元気ないようにみえるんですね

やぎもと うん、なんかせっかく天使なのになあとおもって。

やすふく うーん、あんまり天使が元気あるかどうか考えたことなかった。

やぎもと いま羽ばたかんとす! みたいなのないじゃない。

やすふく ああ、なるほど。

やぎもと 羽根はえてもすわってるし。

やすふく なんか私の天使は木下龍也さんの短歌から生まれたんですよ。初めて天使描いたの、木下さんの「あの羽は飾りなんだよ重力は天使に関与できないからね」

やぎもと ああ、それおもしろい。じゃあ短歌のワールドがそのまま移行してくるってことなのかあ。安福望のキャラクター性は短歌に胚胎している部分があるんだ。

やすふく あ、そうですね。この短歌のイメージでずっと描いてる気がする。天使は。だから、羽ばたかないんですよ笑。飾りですね。羽。


posted by 柳本々々 at 15:56| 川柳サロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【小連載】くま(「安福望キャラクター辞典」)

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やぎもと 熊についてはやすふくさんはなにかこれってイメージがあるの?

やすふく ないよ。白熊だよね?

やぎもと ぜんぶほとんどやすふくさんの絵ってしろくまなの?

やすふく 白くて、絵のなかで邪魔にならないから、白熊かいてるだけですよ。

やぎもと ふつうのくまもいるでしょ?

やすふく だいたいしろくま。

やぎもと しろくまだったのかぜんぶ。それおどろくなあ。

やすふく ふつうのくまは意図的にふつうの熊ですね。茶色いとかツキノワグマとか。

やぎもと くまってふつうじゃまになるそんざいだけど、わざわざくまだしてじゃまにならないようにするのか。

やすふく あ、そうそう。色的に邪魔じゃないっていうのが大事なの。

やぎもと そのわざわざして、ならないようにするっていう屈折がいつもあるきがするなあ、やすふくさんの絵って。

やすふく あ、そうなのかあ。

やぎもと そのキャラクターの性質を脱臭しちゃうっていうのかな。宇宙とかも。
posted by 柳本々々 at 15:35| 川柳サロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月15日

走る走る走るから考える古畑任三郎 安福望×柳本々々−ファーストシーズン第11話「さよなら、DJ」(犯罪者:中浦たか子【ディスクジョッキー】=桃井かおり)

安福 この桃井かおりの回は、殴ったときの「いたい?」ってきいたのがこわかったですね。

柳本 あれは桃井かおりのアドリブなんですよね。

安福 えー、そうなのか。はみだしたとこなんだ、あれ。

柳本 三谷幸喜作品のせりふじゃないかんじしますよね。あそこだけ。

安福 そうですね。古畑って、異常殺人者ってでてこないじゃないですか。最後ちゃんと解決する。

柳本 そうですね。そこらへん、『踊る大捜査線』と違いますね。『踊る大捜査線』はわりとアブノーマルな殺人者いっぱいでてきますからね。

安福 でも、この桃井かおりのだけ、なんかあの「いたい?」でちょっと異常なかんじしたんですよ。犯人のひとって、みんなちゃんと会話できるかんじだけど。ももいかおりはちょっと会話できないかんじのひとにおもえて。いままでのひとはみんな自分から、会話してくるじゃないですか

柳本 三谷幸喜さんはアドリブをさせないんですよね。昔、三宅裕司さんと対談してたときそういってました。だからそこだけ突出したかんじになったんじゃないですかね。三宅裕司さんと小倉久寛さんの劇団はアドリブがおもしろい劇団だから。

安福望 そうなんですね。

柳本 そもそも桃井かおりさんってちょっとクレイジーが役柄がおおいですよね。『男はつらいよ』にでてたときも結婚式で走ってにげる。花嫁の役をやってたけど。とつぜん結婚したくなくなって布施明からにげるんだけど。
走るで思い出したんですけど、この回の桃井かおりも今泉も全速力で走ってますけど、三谷幸喜作品のなかでは〈走る〉ってひとつのテーマになってるんですよね。『ラジオの時間』でも『笑の大学』でもみんな走ってる。全速力で。
三谷幸喜作品では走るっていっぱいでてくるんですよね。ドラマでも映画でも舞台でもよく走ってる。
で、走ると、物語がおおきく展開するんですよね。
漱石の小説って横たわると物語がおおきく展開するんですけど、三谷幸喜作品では走ると物語がおおきく展開する。
そうかんがえると三谷幸喜作品って会話劇の要素だけでもないんだなっておもうんですよ。走るっていうことばをかなぐり捨てたときになにかがおこるというか。
走るって純粋な欲動ですよね。そのときひとってピュアな欲動がでるんだとおもうんですよ。あの吉本ばななの『キッチン』でもカツ丼もってたしか走ってましたよね。このカツ丼を届けたいって。愛のカツ丼。

安福 たしかに走るって純粋ですね。

柳本 だから三谷幸喜劇では言葉の汚染をふりきるように走るんじゃないですかね。
あと三谷幸喜の作品は閉鎖的空間がおおいんですけど、
そこにおおきな穴をあけますよね、走ると。

安福 風なのかもしれませんね。

柳本 あの『笑の大学』でもほんとよくはしるんですよぐるぐるぐる。すごくいいシーンなんだけど。舞台版も映画版も。西村雅彦も近藤芳正も役所広司も稲垣吾郎もみんな素敵に本気に走ってる。

安福 そうなんですね。

柳本 真面目な検閲官と弱気な喜劇作家が一所懸命、一緒に走ってる。そうするとだんだんふたりの関係がピュアになって物語が動きはじめる。ふたりの関係がピュアになるんですよ。
どれだけ思いが錯綜していても、走る行為って、勘違いから遠く離れてある身体なんじゃないかな。なんか〈これしかない、これなのだ〉って状態になるんだよ。

安福 なるほど。まよってるときは走れないですね。目的地がわかんないから。決めてないから。

柳本 走るは、希望ですよ。ひとは、希望があるから走るんじゃなくて、走っているうちにひとは希望そのものになっていくんですよ。

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安福望:古畑任三郎「さよなら、DJ」の絵

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柳本々々:古畑任ザブ子「さよなら、今泉くん」の絵

posted by 柳本々々 at 20:10| 川柳サロン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする