ポストです鳥の行方を聞かれても 内田万貴(「川柳木馬(第146号)」より)
2015年11月29日
空を飛ばないポストのように:200字川柳小説 川合大祐
と、いうわけで200字川柳小説をお送りしているわけですが、この200字、あまりにも匙加減がいい加減すぎるのではないでしょうか。鳥。と、とりあえず書いておいて、字数の過不足によって増減させればいいだけです。鳥。鳥鳥。鳥鳥鳥鳥。と書いた手紙を出しに行った。目的地の最後、「これ」がなんだか判らなくなって、通行人に聞いてみた。「これは何ですか?」「これはポストです」。天使はいるのだった。あ、鳥か。鳥鳥鳥。
ポストです鳥の行方を聞かれても 内田万貴(「川柳木馬(第146号)」より)
ポストです鳥の行方を聞かれても 内田万貴(「川柳木馬(第146号)」より)
2015年11月23日
「川柳木馬」第146号 2015・秋
「川柳木馬」第146号が発行されました。
同号の特集「作家群像 榊陽子篇」に、石田柊馬さんと飯島章友の文章が載っております。
作家群像 榊陽子篇
「違った表情─榊陽子の川柳」・・・石田柊馬
「川柳プロレス中継─榊陽子vs川柳─」・・・飯島章友
榊陽子さんの60句と、畑美樹さんによる木馬作品鑑賞「二匹の猫の」も載っております。
木馬誌をご覧になりたい方は、以下の川柳木馬のアドレスまで。
kaori-mokuba(a)apost.plala.or.jp
※(a)を@に変えてください
なお川柳木馬の許可をいただきアドレスを掲載しております
同号の特集「作家群像 榊陽子篇」に、石田柊馬さんと飯島章友の文章が載っております。
作家群像 榊陽子篇
「違った表情─榊陽子の川柳」・・・石田柊馬
「川柳プロレス中継─榊陽子vs川柳─」・・・飯島章友
榊陽子さんの60句と、畑美樹さんによる木馬作品鑑賞「二匹の猫の」も載っております。
木馬誌をご覧になりたい方は、以下の川柳木馬のアドレスまで。
kaori-mokuba(a)apost.plala.or.jp
※(a)を@に変えてください
なお川柳木馬の許可をいただきアドレスを掲載しております
2015年11月22日
川柳の仲間「旬」No.202
川柳の仲間「旬」No.202 2015年11月号
【会員作品】
つぎはぎでいいよ翼は飾りもの 樹萄らき
いつの間に風としゃべっている、狂う 千春
添乗員と間違われる小池正博さん 柳本々々
梨食べてボブマーリーの誇り持つ 桑沢ひろみ
鬱の字に似ている土器が掘り出され 大川博幸
紙コップ重ねて少し信じよう 池上とき子
死火山の火が死のように燃えている 川合大祐
釣り人の投げる夕陽だバカでかい 小池孝一
積んでいく母しか着れぬSサイズ 竹内美千代
納税をしても喫煙嫌われる 丸山健三
さて、「旬」誌には、或るお題を受けて会員が答える「イマージュ」という欄がある。大喜利のようなものと考えればいいかも知れない。
こういう各人のセンスが試される余興は、石部明さんも「ねむらんかい」という合宿でしていたようだ。ブログにそのときのお題と答えが掲載されている。以下がそのリンク。
ねむらんかい1
言葉のアトラクションA
川柳は前句附がルーツであることを考えれば、川柳力を磨くいい練習になりそうだ。
川合大祐さんや柳本々々さんと一緒の誌で川柳を書きたい方、あるいは誌だけでも読みたいという方は、以下のブログでお尋ねになってください。
川柳の仲間 旬
『川柳 裸木3』
『川柳 裸木3』が発行されました。
いわさき楊子さんが中心になってまとめられた同人誌です。
もともと、「@くまもとメール川柳クラブ@」というEメール上のやりとりが母体になっている、紙の本です。
会員一人につき二十句の作品と、それに対する俳人・歌人・柳人の方の批評で構成されています。
みなさん、個性的な作品が揃っています。
放し飼い、という言葉が頭をかすめるほど、自由にやってらっしゃいます。
この自由さがどこから来るかと考えると、各人がメールという「ゆるいつながり」でつながっているからではないでしょうか。
でも、それをあえて紙の本にするところに(あ、収録作はメールで発表したものだけではありませんが)、大切な意義があるのかもしれません。
電子化が日々進む時代、「川柳」の可能性を考える上で、重要なメルクマールになるのではないかと。
まあ、難しいことはさておき、読めば純粋に面白いのです。放し飼いですから。
何だろう、うまく説明できないのですが、「人生、ちょっと疲れたなあ」と思った時に読むと、元気が出る句群だと思います。
おっほっほ 汗かいてますね御愁傷様 阪本ちえこ
この春も横断歩道がきりんです 久保山藍夏
上質のジョーカー たぶん いるね うん 樹萄らき
あのひともこのひともまだこどもです 北村あじさい
水を飲んでいるほうが敗者 いわさき楊子
水になったよ 楽になったよ 上村千寿
私(川合大祐)も、端っこに参加させてもらっています。
だから、ねえ、祈っているよ、それだけだ、 川合大祐
興味を持たれた方はこちらまで。
saki50ys*gamma.ocn.ne.jp いわさき楊子さん(*を@に変えてご送信ください)
いわさき楊子さんが中心になってまとめられた同人誌です。
もともと、「@くまもとメール川柳クラブ@」というEメール上のやりとりが母体になっている、紙の本です。
会員一人につき二十句の作品と、それに対する俳人・歌人・柳人の方の批評で構成されています。
みなさん、個性的な作品が揃っています。
放し飼い、という言葉が頭をかすめるほど、自由にやってらっしゃいます。
この自由さがどこから来るかと考えると、各人がメールという「ゆるいつながり」でつながっているからではないでしょうか。
でも、それをあえて紙の本にするところに(あ、収録作はメールで発表したものだけではありませんが)、大切な意義があるのかもしれません。
電子化が日々進む時代、「川柳」の可能性を考える上で、重要なメルクマールになるのではないかと。
まあ、難しいことはさておき、読めば純粋に面白いのです。放し飼いですから。
何だろう、うまく説明できないのですが、「人生、ちょっと疲れたなあ」と思った時に読むと、元気が出る句群だと思います。
おっほっほ 汗かいてますね御愁傷様 阪本ちえこ
この春も横断歩道がきりんです 久保山藍夏
上質のジョーカー たぶん いるね うん 樹萄らき
あのひともこのひともまだこどもです 北村あじさい
水を飲んでいるほうが敗者 いわさき楊子
水になったよ 楽になったよ 上村千寿
私(川合大祐)も、端っこに参加させてもらっています。
だから、ねえ、祈っているよ、それだけだ、 川合大祐
興味を持たれた方はこちらまで。
saki50ys*gamma.ocn.ne.jp いわさき楊子さん(*を@に変えてご送信ください)
消えた竜:200字川柳小説 川合大祐
ブロントサウルスはもういないんだよ、と彼は言った。当たり前でしょ、恐竜なんて絶滅してるじゃない。彼は言った。そうじゃなくて、話せば色々長い事情があるんだよ。別に言い返しもせず、ふうん、と聞いていた。その長い事情が、二人の長い事情そのままのようで、それ以上問いかけるのが怖かったのかもしれない。巨大な、骨格標本の前だった。白い肩の骨が、すらりと地上へ伸びていた。ねえ、あのなで肩は、あなたに似ているよ。
なで肩のひとと草食恐竜展 いわさき楊子(『川柳裸木3』より)
なで肩のひとと草食恐竜展 いわさき楊子(『川柳裸木3』より)