少年の町には舟が舫われていた。まだ幼児だったころ、連綿と繋がる舟の中で、その一隻だけを見るため、よく家を脱け出して、怒られていた。幼児から少年に変わるころ、舟は少しずつ港を出てゆき(補陀落に行ったのかもしれない)、町は若者からいなくなり、海風のなかで、少年はその一隻を見ていた。舷のこの曲線が、ゆっくりと腐食してゆく。何て切ない、そして誘惑に満ちた姿なのだろう。大人になる頃、舟は車で運ばれていった。
エロチシズム 小さな舟は出て行った 定金冬二(『一老人』より)
11月23日は東京文フリ★『俳句と超短編』vol.4 (編集 櫛木千尋)、出品されます。
「実」をお題に、500字の超短編と俳句。他の企画もたのしいです。
会場は東京流通センター(第二展示場)、東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分です。
『俳句と超短編』vol.4は、2階Fホール ブース番号【ウー69】です。
↓ブース配置図
http://bunfree.net/?tokyo_bun23#l18
★『俳句と超短編』vol.4 甘い果実 苦い果実
【内容】
超短編+俳句「実」〜甘い果実 苦い果実
江口ちかる 小川楓子 海音寺ジョー 櫛木千尋
国東 タカスギシンタロ 鳥栖なおこ とみいえひろこ
根多加良 はやみかつとし 笛地静恵 堀田季何
ミカヅキカゲリ 三澤達世 牟礼鯨 吉井力
評論 森見登美彦『宵山万華鏡』を超短編として読む 小野塚力
俳句から超短編へ/超短編から俳句へ4 高山羽根子 榮猿丸
出会いもの俳句4「《伯爵領》殺人事件」笛地静恵
句会レポート
投稿作品選評
執筆者プロフィール
また、恥ずかしながら★同じく会場2階の、ブース番号【イー63】小説の同人誌にも、参加しました。める變10句とゴジラ抄5句です。ブルーの表紙です。
ゴジラ抄 江口ちかる
哀しくて燃え残っているゴジラの目
一筆書きで泡だててゆくゴジラ
キャラメル包みの黄ゴジラ届く
雪平鍋に肩までつかっているゴジラ
南南東からそっとゴジラに背負われる
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