「川柳スパイラル」創刊号
目次
1 巻頭写真 入交佐妃
3 創刊のご挨拶・渦の生成 小池正博
6 同人作品 Spiral Wave
18 おしまい日記 第一回 柳本々々×安福望
23 いかに句を作るか 第一話 川合大祐
27 現代川柳入門以前 小池正博
31 小遊星 飯島章友×小津夜景
35 会員作品 Plastic Wave
41 現代川柳あれこれ Biotope 小池正博
47 投句規定・合評句会案内
48 妄読ノススメ 兵頭全郎
50 第一回東京句会
52 編集後記
「川柳スパイラル」の第1号が出来上がりました。
同人作品は、清水かおり、湊圭史、一戸涼子、柳本々々、浪越靖政、悠とし子、川合大祐、石田柊馬、畑美樹、飯島章友、兵頭全郎、小池正博。
また会員作品は、英田柚有子、宇川草書、深海魚、津田暹、丸山進、吉松澄子、松本藍、中西軒わ、本間かもせり、本多洋子、猫田千恵子、落合魯忠、岡本遊凪、いわさき楊子、西田雅子、いなだ豆乃助、早計層、岩根彰子、山下和代、高橋蘭、重森恒雄、酒井麗水、笠嶋恵美子、内田真理子、前田一石。
意外かも知れませんが、わたしはこのスパイラル誌ではじめて、川合大祐・柳本々々と所属グループをおなじくします。「川柳カード」をホームとしていた飯島章友、「川柳の仲間 旬」をホームとする川合大祐、「おかじょうき川柳社」をホームとする柳本々々とは別々の場で作句していたのです。
また畑美樹と川合大祐がおなじ柳誌に名を連ねていることも、ふたりの軌跡を想うと感慨深い。もともとふたりは、「川柳の仲間 旬」で同じ釜の飯をくっていたのですが、畑美樹は旬を脱会して「バックストローク」誌の編集人→「川柳カード」同人となり、いっぽう川合大祐はずっと旬に残留していました。それが約15年の歳月を経ておなじ柳誌で再会したわけです。
コンテンツについて簡単に説明します。
「おしまい日記」は柳本々々と安福望のトーク、「いかに句を作るか」は川合大祐による本格川柳小説、「現代川柳入門以前」は川柳とは何かについて「入門の手前あたりでうろうろする」文章、「小遊星」はホストの飯島章友とゲストとのトーク、「現代川柳あれこれ」は小池正博による会員作品評、「妄読ノススメ」は或る川柳作品を起点にした兵頭全郎の二次創作的な読み。まだ第1回目なので分からない部分もあるのだが、だいたいこんな感じで合っていると思います。
飯島が担当する「小遊星」は、テレビで言えば「徹子の部屋」や「サワコの朝」みたいなものだと思っています。今回のゲストは俳人の小津夜景さん。田中裕明賞受賞後のお忙しいなか、真摯かつ丁寧にご対応いただきました。誌面では3400文字ほどですが、実際はその3倍近くお話しています。夜景さんが短詩型文学に出合うまでのこと、句が出来上がるまでのプロセス、石部明の印象などなど。とても楽しいトークでしたよ。
ところで、「川柳スパイラル」はどのような柳誌になっていくのか。これは、あくまでもわたし個人の意見なのを断って言うけど、「川柳スパイラル」は次のようなタイプのひとたちに向いているのではないかしら。現代川柳には興味があるけどグループの理念や作風を指導されるのは苦手というひと、川柳をつうじて他のジャンルの表現者と交流をもちたいひと、(シニアの作者とは違う)現役世代のセンスでのびのびと作句したいひと、などなど。この柳誌が、そういうひとたちの受け皿になれたら素敵だと思う。ちょうど歌誌「かばん」のように。
「創刊のご挨拶」で小池正博は、「これまで川柳人しか知らなかった川柳の遺産をもっと一般の詩歌に関心のある読者に届ける方法を模索してゆきたい。したがって、本誌は川柳人だけではなくて、広く短詩型文学に関心のある読者を想定している」と述べている。俳人、歌人、詩人、連句人、都々逸作家、あるいは既成の壇から距離を置いて同人誌やネット上で詩歌創作をしている方々にもお読みいただければ幸甚です。
「川柳スパイラル」
編集発行人 小池正博
制作 私家本工房
同人 年間12000円
会員 年間6000円
購読 年間3000円
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