20代前半の頃はルーツ・オブ・ロックンロール、ルーツ・オブ・ロカビリーについて、アメリカの時代背景とあわせて探っていたのだが、今年は二人のロックスターの死もあって、むかし読んだロック関連本を読み直してみた。ちなみに、『ロカビリービート』(鈴木カツ)、『ロックン・ロールの時代(ロックの歴史) 』(萩原健太)、『ビートルズの時代(ロックの歴史) 』(大鷹俊一)の三冊。ネット動画なんてなかった90年代、これらの本で紹介されているミュージシャンのCDやVHSをタワーレコードやHMVで買いまくったものだ。
最初のロックンロールは何か、という議論があって、ファッツ・ドミノの The Fat Man(1950)、ジャッキー・ブレンストン&ヒズ・デルタ・キャッツの Rocket 88(1951)、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの Rock Around the Clock (1954)が挙げられることが多い。でも文化というのは、どんな分野でもそうだと思うけれど、定義しきれるものではない。わたしは研究家でも批評家でもないから難しいことは分からないけど、1945年にはもう激しいブギウギサウンドがいっぱい出てきていたと思うし、1950年になると、あとはロックスターの出現を待つだけ、というくらいR&Bが進化していたと思う。
でも、エルヴィス・プレスリーやジェリー・リー・ルイスが生まれた1935年、すでにロックンロールのルーツと呼べそうなサウンドを出していた人がいる。ココモ・アーノルドというブルースマンだ。彼の The Twelves(1935)というナンバーを聴くとじつにロックンロールしているし、あたかもサン・レコードのロカビリーを聴いているようでもある。 これでリードギター・リズムギター・ベース・ドラムの構成をとればロックンロールになるんじゃね? とわたしは思ってきたのだった。
それではみなさん良い年をお迎えください!