ここで「読み」というのは、川柳作品に対する鑑賞や批評のことです。
短歌や俳句の世界では、創作と同時に「読み」も重要視されているように感じられます。
いわば「詠み」と「読み」が車の両輪なのです。
そうであるならば、同じ短詩型文学である川柳でも「読み」は重要になってくるのではないでしょうか。
いったん川柳が結社誌や句会に出されると、その句は半ば作者の手を離れ、読み手の解釈にゆだねられていくことになります。
そこでは読み手の数だけ句の捉え方に違いが生まれ、作者の意図したとおりに読み取ってもらえないケースも出てきます。
しかし、読み手の句評が、作者の意図した以上の魅力や奥行きを引き出すケースもあるのです。
当ブログでは複数の執筆者が川柳の「読み」を発信していきます。
それぞれの執筆者の川柳観はかならずしも一致してはいません。
しかし、だからこそ、いろいろな角度から川柳にアプローチできるのではないかと考えています。
最後にブログの名称にもなっているスープレックスについてお話します。
スープレックスとは「後ろから相手の胴をクラッチして反り投げ、ブリッジで固めるもの」で、レスリング系の投げ技です。
当ブログもスープレックスという技のように、川柳界における「読み」の停滞を引っくり返していければと思います。
それによって一人でも多くの方に川柳の魅力を知ってもらえれば、それが何よりの幸せです。
川柳スープレックス運営代表 飯島章友